The Irony of Romeo and Juliet
13. laugh out loud
それから何事も無く日々は過ぎていった。いや、何事も無く、という表現には語弊がある。
あったにはあったが、それらは全て行政特区日本に関わることばかりで、
ルルーシュとカレンの間に起こるべきものは何も無かった。
それでも、相変わらず毎日やってくる学校には顔を出し、カレンはルルーシュと顔をあわせる。
ルルーシュがクラブハウスで暮らしているだけに、余計に。
クラス、廊下、生徒会室―――どこでだってカレンはルルーシュを見た。
最初はカレンのあの告白をどう思うのかと不安で、最初の数日は面と向かってルルーシュと目をあわせられなかった。
三日目ぐらいで親衛隊長がそんなんでどうするのかと思い、それもやめたけれど。
学校でも斜め後ろに控え、いつでもルルーシュを守れる位置で歩く。
ふとルルーシュが速度を緩めてカレンを振り返り、ふ、と安心したように微笑むのだ。
笑ってしまった。
たったこれだけで、幸せになれてしまうのだから。