The Irony of Romeo and Juliet
fine. The Irony of Romeo and Juliet



「ジュリエットはロミオと結ばれる為に自ら死を演じた。仮死状態に陥り、次に目覚めた時は愛するロミオがいると信じて、自ら死んだ。ロミオは死んでいるジュリエットに絶望しまた自ら死んだ。ジュリエットが目覚めたとき、ロミオは既に事切れていた。絶望したジュリエットはまたもや自ら、今度は本当に死んでしまった。なんだ、どっかで聞いた事のあるような話だな」
「どこが」
「ルルーシュはまた優しい世界でスザクと笑いあえる事を信じてお姫様である自分を殺した。スザクは必要悪となっていたルルーシュに絶望して突き放し、別の女に走った。そしてルルーシュは絶望し、・・・おや何か違うな」
「違うよ。その筋で行くと、ルルーシュはそんなスザクに絶望して自ら命を絶つか狂うかとかなんかそんな筋書きになる」
「むしろ今のあいつは精力的に活動してるな。皮肉なものだ。ナナリーが死んでからはあいつが戦う目的の代名詞といっても過言ではなかったスザクは、最大の障害となった。スザクとの明るい未来の為に築いていた優しい世界が、スザクの死によって本当に確固たるものとなった。皮肉な物だ」
「そうかな」
「そうさ」
「でも今のルルーシュには俺がいる。俺は彼女の忠実な僕だからね。他の女に目移りなんかしないよ」
「勝手に言ってろ、犬が」
「そうさせてもらうよ。着替えを手伝う名誉まで与えられて、犬万々歳だね」
「ったく・・・・おい!ルルーシュ!」
「・・・・なんだ?どうした、まだ焼き上がってないんだ」
「そんな事はどうでもいい、おいルルーシュ、この犬に褒美でも与えてやったらどうだ」
「はっ!?いやいやいやいいですいいです!結構ですそんなの!」
「褒美?」
「そうだ」
「だからいらないって・・・っ・・・!?」
次に見たルルーシュの顔は、少しいたずらっぽくて、そしてフフフと笑っていて可愛かった。

「笑顔のセカンドキスって事で」

もう一生犬でいい。


だって俺にはお前がいるから、カレン。

2011年12月28日