一年。
一年、また一年と時が過ぎていく。

スザクを想うルルーシュの気持ちが、募る。 最初はただの婚約者、次はただの友達。 ただそう想っていただけだった、けれど・・・本当にそれだけ?

ただの友達に、警戒心の強い自分が心を許すわけが無い。 スザクとの婚約を残念がったのはどこの誰だ。 スザクが自分の騎士になるためにブリタニアに来てくれるという知らせを聞いたときに、内心一番喜んだのは誰だった? ルルーシュを守るために何でもするという、六年間必死の努力をすることを決めたスザクに見惚れたのは誰なのか。

ルルーシュは、自分の寝室の中にある、腰ほどの高さのあるチェストにそっと歩み寄った。 深く美しい木の木目で縁取られた写真の縁をを指の背で撫でる。 いつくしむようにしてそれを繰り返し、両手で持ち上げた。 まるで恋する乙女のようにそれを胸に抱いて、後ろのベッドに倒れこむ。 幸せそうに微笑んでいる自分に、ナナリーにスザク。 自分は無視し、ナナリーの額にキスを贈る。 少し躊躇してから、スザクには口にキスをした。

11歳。
スザクが守るように隣にたってくれるその姿勢にどきどきした。
12歳。
スザクの声変わりが始まって、自分に初潮が来て。 男と女の差を見せ付けられた気がした。
13歳。
どんどん身長が伸びていくその姿に、どうしようもなく焦った。
14歳。
声もすっかり低くなって、追い抜かされた身長に、どきどきして声が出なかった。
そして、15歳の、冬。




好きになれると、そう想った。 好きになってもらえなくとも、好きだと想った。


I want my LOVE back
13. Be My Valentine



「ルルーシュ。・・・好きだ」

心をわし掴まれた気がした。 ああ、私はいったい、彼の何を見てきていたのだろう。



その真摯な瞳が、ずっと想ってくれていたと語っていたのに

2008年10月11日