「チョロい。チョロすぎr」
「しー!サスケ君!!」
「カカシ先生の言う事忘れたのかってばよ!」
『いーいお前ら。昔はイベントの予測が不可能だったからサスケがリーダーやってたけど、今は違うんだからね。とにかく目立たず埋もれず、確実に中忍試験を突破する事。その為には我らがおねーさんサクラに小隊長として動いてもらうからね。サクラがバカな振りしろっつったらバカな振りするんだよ、二人とも。OK?』
「サクラちゃんの言う事きけぇ!」
「ちっがうわよナルト!重要なのは目立たず埋もれずってとこでしょ!チョロいなんていったらアホみたいじゃない!!」
アンコさんが目の前にやってくる寸前、森へのゲートを目の前にして不敵に笑ったサスケ君の口をパン!と塞いで、私はあわてて遮った。もう言わない?という問いにコクコク頷くからそっと手を離したけれど、どうしたの辛いもの食べて口の周りこすっちゃったの?ってくらいにサスケ君の口のまわりは真っ赤っかだ。力加減忘れててゴメンサスケ君。だけどイケメンは変わってないよ。

「始め!」
あれ、始まっちゃった。
サスケ君が先導してゲートに入って行く。私が小隊長って言っても、あくまで目立たず埋もれずの部分でサスケ君とナルトが無茶しないように、っていういわばお目付け役だ。戦闘における冷静な分析力に置いても、実際に小隊長をやっているのはサスケ君。ナルトは特攻隊長で満足できるからね。



5. チョロいだなんて言っちゃだめ



ゲートをくぐり、一旦大きな樹の傍に腰を落ち着けて、私達は作戦を決めた。
「じゃあ五日間の計画はこうよ。昔みたいに手間取って五日目ギリギリにクリアなんて冗談じゃない。今回は大蛇丸回避も兼ねてるから、とりあえず最初に見つけた他の里の忍者を背後から襲撃して、パパッと奪いましょう。同じ天の巻だったらストックに持っておいても良し、地の巻物ならそのまま中心地までいくわよ。ナルト、あんたがトイレ行ってそのまま捕まってたのが原因なんだから、今回は我慢しなさいよね!」
「うぇ、五日間も!?膀胱が破裂しちゃうってば!」
「アホかウスラトンカチ。そういえば前聞いた話では、我愛羅の班は一時間弱でクリアしたらしいな」
「そこまで目立っちゃうと逆にあれよね。ベストなのは、『私達運が良かったみたいで、最初の弱いグループ倒したら対の巻物で、運良く障害物も猛獣にも遭遇せずにする〜っといけちゃいました〜〜』っていうシナリオよね。これだったらまぁ一日でクリアしても説明はつくし。」
「んな都合の良いシナリオはできねー様になってんだろうな」
「恐らくね。じゃ、巻物を奪う最初のミッションはサスケ君担当。暗部で鍛えた隠密行動でびしっとやっちゃって」
「了解」
「気付かれて多少の戦闘になっても、私がいるから遠慮はしないで?あ、でも他のグループには気付かれないでね」
「ああ」
「な、な!サクラちゃん、俺は!?俺は何したらいいってば!?」
「あんたは食糧担当よ」
「食糧!?なんで俺が食糧!?」
「平々凡々にクリアする為にも、ちょうど真ん中の2日目午後過ぎにクリアするようにしましょう。最悪他のグループとの戦闘になっちゃったらあんた暴れてもいいけど、なるべくそれは避けたいのよ。食糧はいるでしょ?」
「そ、そりゃそうだけど」
「ハァ・・・・おい、ナルト」
「んだよ」
「お前が採ってくる魚や山菜や肉やらで、サクラの美肌が維持されるんだぜ」
「サクラちゃん、俺頑張るってばよ!」
「コレがこいつの扱い方だぜ、サクラ」
「ナルト・・・・・・でもちょっと感動」
「ふぅ。おい、その辺にいるんじゃねーか?」
「ん・・・かな?でも私感知タイプじゃないからあんまり解んないな・・・他の里?」
「ああ。ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃい。草の里の忍者だったら大蛇丸だから、すぐに引き返してね」
「おう」
「この試験、大蛇丸っていうよりもサスケ君の呪印回避なんだからね!」
「わーってるって」
「・・・・・・なぁなぁサクラちゃん、今ちょっと採ってきたんだけどコレ、どうかな!食える野菜だと思うけど、どう!?」
「んー?・・・ってナルト、あんたコレ煎じて飲んだらお肌つるつるになるっていうキレイキレイ草じゃない!凄い!やっぱあんたって最高!」
「えへへ!」



おい、とってきたぜ天の書・・・って何やってんだお前ら。サスケ君まってて、私つるつるになってみせるから!